人材派遣 2026.09.11

派遣の3年ルールとは?抜け道の種類や過ぎた後の対処法を徹底解説

派遣の3年ルールとは?抜け道の種類や過ぎた後の対処法を徹底解説

「派遣の3年ルールを迎えたら、今の職場を辞めないといけない?」
「部署や派遣会社を変えれば、そのまま働き続けられるの?」

派遣社員には、同じ派遣先で働く期間について「3年ルール」とよばれる制限があります。

ただし、すべての派遣社員が3年で派遣先を辞めるわけではありません。事業所単位と個人単位でルールが異なり、無期雇用派遣や60歳以上など期間制限の対象外となるケースもあります。

編集部
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この記事では、派遣の3年ルールの仕組みや例外、3年経過後も働く方法、よく言われる「抜け道」の注意点までわかりやすく解説します。

目次

派遣の3年ルールの基本概要と2種類の期間制限

派遣の3年ルールには、派遣先の「事業所単位」と派遣社員本人の「個人単位」という2つの期間制限があります。

編集部
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また、似た制度に労働契約法の5年ルールもあるため、それぞれ分けて理解しましょう。

①企業全体ではなく「事業所単位」の期間制限

事業所単位の3年ルール

派遣先の同じ事業所が有期雇用の派遣社員を受け入れられる期間は、原則3年までです。

ここでいう事業所は会社全体ではなく、支店・営業所・工場など、場所や組織として一定程度独立している単位を指します。

3年を超えて派遣社員を受け入れる場合は、抵触日の1カ月前までに過半数労働組合などから意見を聴き、さらに最長3年まで派遣可能期間を延長できます。

派遣社員が途中で別の人に変わっても、事業所単位の期間がそのたびにゼロへ戻るわけではありません。

②同じ部署で3年を超えて働けない「個人単位」の期間制限

個人単位の3年ルール

同じ派遣社員が、派遣先の同一の組織単位で働ける期間も原則3年までです。

組織単位とは、一般的には「○○課」「○○グループ」のように、業務のまとまりがあり、責任者が指揮監督する単位を指します。

事業所単位とは違い、個人単位の3年制限そのものを意見聴取で延長することはできません。

ただし、同じ事業所でも組織単位が変われば、新しい部署で派遣就業できる場合があります。その際も事業所単位の期間制限を超えていないことが前提です。

③派遣の3年ルールと労働契約法「5年ルール」の違い

3年ルールは派遣先で働ける期間の制限、5年ルールは有期労働契約から無期労働契約へ転換する制度です。

5年ルールでは、同じ使用者との有期労働契約が更新されて通算5年を超えると、労働者に無期転換を申し込む権利が発生します。

派遣社員の場合、5年の通算期間を見る相手は派遣先ではなく雇用契約を結んでいる派遣会社です。

派遣先が途中で変わっても、同じ派遣会社との有期契約が続いていれば無期転換ルールの対象になる場合があります。

派遣の3年ルールが適用されない5つの例外パターン

派遣社員なら全員が3年で同じ職場を離れるわけではありません。

編集部
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雇用形態や年齢、派遣される業務によっては期間制限の対象外です。代表的な5つの例外を確認しておきましょう。

3年ルールの対象外となる5つのケース
  • 60歳以上の派遣社員
  • 派遣元に無期雇用されている派遣社員
  • 有期プロジェクト業務
  • 日数限定業務
  • 産前産後休業/育児休業/介護休業などの代替業務

ケース①満60歳以上の派遣社員が就業する場合

60歳以上の派遣社員は、事業所単位・個人単位の期間制限の対象外です。

そのため、同じ派遣先の同じ組織単位で3年を超えて働くことも制度上は認められています。

ただし、3年ルールの対象外だからといって雇用契約が自動で更新されるわけではありません。

実際にいつまで働けるかは派遣元との雇用契約や派遣契約もあわせて確認してください。

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ケース②派遣元企業と期間の定めのない無期雇用契約を結んでいる場合

派遣会社と無期雇用契約を結んでいる派遣社員も、3年ルールの対象外です。

有期雇用派遣とは違い、派遣先で3年を迎えたことだけを理由に同じ部署での派遣を終了する必要はありません。

ただし、無期雇用になれば現在の派遣先で必ず働き続けられるという意味ではなく、配属先が変わる場合もあります。

編集部
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給与形態や待機中の扱いも派遣会社によって異なるため、無期雇用へ切り替える前に雇用条件を確認しましょう。

ケース③事業の開始や終了が明確な有期プロジェクト業務に従事する場合

一定期間内に終了することが明確な有期プロジェクト業務も、3年の期間制限を受けません。

事業の開始・転換・拡大・縮小・廃止に伴い、終わる時期が決まっている業務などが該当します。

プロジェクトが3年以上続く場合でも、要件を満たしていれば終了まで派遣されるケースがあります。

通常の恒常業務を「プロジェクト」と呼ぶだけでは対象外になりません。

ケース④月の所定労働日数が半分以下かつ10日以下の日数限定業務の場合

1カ月の勤務日数が通常の労働者と比べて相当程度少なく、かつ月10日以下の日数限定業務も対象外です。

目安となるのは、通常の労働者の所定労働日数のおおむね半分以下で、月10日以下となる業務です。

たとえば月数回だけ発生する業務などが該当する場合があります。

勤務日数だけで自己判断せず、自分の契約が日数限定業務に当たるか派遣会社へ確認してください。

ケース⑤産前産後休業や育児休業・介護休業を取得する社員の代替業務の場合

産前産後休業・育児休業・介護休業などを取得している社員の代替業務も期間制限の対象外です。

休業している社員が戻るまでという終了時期が想定された派遣だからです。

そのため、代替対象となる社員の休業が3年を超える場合でも、要件を満たす間は派遣就業が続くことがあります。

編集部
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代替業務ではなくなったあとの扱いは別途確認しましょう。

派遣の3年ルールが過ぎた後に働き続ける4つの対処法

個人単位の3年を迎えても、働くこと自体を辞めなければならないわけではありません。直接雇用や部署異動、無期雇用派遣への転換、新しい派遣先への移動など、今後の希望に合わせて選びましょう。

①派遣先の企業で「直接雇用」に切り替えてもらう

女性/オフィス/事務/パソコン

今の職場で働き続けたいなら、派遣先で正社員や契約社員などの直接雇用を目指す方法があります。

同じ組織単位で3年間働く見込みがあり、継続就業を希望する有期雇用派遣社員には、派遣元が雇用安定措置を講じる義務があります。

その措置には、派遣先への直接雇用の依頼や新しい派遣先の提供などが含まれます。

直接雇用へ変わる際は、月給だけでなく賞与/交通費/勤務時間/休日を含めて条件を比較してください。

直接雇用へ切り替える前の確認項目
  • 基本給と想定年収
  • 賞与/昇給
  • 交通費
  • 勤務時間/残業
  • 年間休日/有給休暇

②派遣先企業の中で別の「部署や課」へ異動する

同じ派遣先でも、実態の異なる別の組織単位へ移れば、引き続き派遣される場合があります。

たとえば総務課から営業課へ移り、仕事内容や指揮命令する責任者も変わるケースです。

部署名だけ変えて実際の仕事や指揮命令者が同じという形式的な異動は、3年ルールを避ける手段として使えません。

異動を提案されたら、部署名だけでなく仕事内容/指揮命令者/所属組織が実際に変わるかを確認しましょう。

③派遣元企業で「無期雇用派遣」へ転換する

「無期雇用派遣」とは?

無期雇用派遣とは、派遣会社と期間の定めがない雇用契約を結び、派遣先企業で働く派遣形態です。有期雇用派遣と違い、派遣元との雇用契約に終了時期が決められていません。

派遣会社との雇用契約を無期へ切り替えると、派遣の3年ルールの期間制限は対象外になります。

同じ派遣会社との有期労働契約が更新されて通算5年を超えた場合は、条件を満たせば労働契約法の無期転換を申し込めます。

派遣会社独自の無期雇用派遣制度へ応募するケースもありますが、採用条件や給与制度は会社ごとに異なります。

無期雇用へ変わっても同じ派遣先への配属が保証されるわけではないため、勤務地や給与条件まで確認してください。

④別の「派遣先企業」へ移って新しく就業を開始する

現在の部署で3年を迎える前に、別の派遣先へ移る方法もあります。

これまで身につけた事務・経理・営業・ITなどの経験を使い、より条件の合う仕事を探すきっかけにもできます。

同じ組織単位に3年間派遣される見込みがあり、継続就業を希望する場合、派遣元には新たな派遣先の提供など雇用安定措置を講じる義務があります。

契約満了直前まで待たず、数カ月前から次の勤務先について担当者へ相談しておきましょう。

派遣の3年ルールに関するよくある質問【Q&A】

Q&A/よくある質問

最後に、3年満了後の失業給付や派遣会社の変更、クーリング期間など、派遣社員から疑問が出やすいポイントを整理します。

Q:派遣の3年ルールで退職した場合、失業保険はすぐに受給できますか?

3年満了だから自動的に会社都合になるわけではなく、離職理由や契約更新の希望などによって扱いが変わります。

派遣就業を続けたいと希望していたのに、派遣元から契約満了までに次の派遣先を提示されず離職したケースなどは、特定理由離職者に該当する場合があります。

離職票が届いたら「離職理由」の欄を必ず確認し、事実と違う場合はハローワークで申し出てください。

編集部
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失業給付の開始時期も離職理由や受給資格によって変わるため、離職票を持ってハローワークで確認しましょう。

Q:派遣会社が変わっても同じ派遣先での勤務期間は通算されますか?

派遣会社を変えただけでは、同じ派遣先・同じ組織単位での3年制限を避けられません。

個人単位の期間制限は派遣会社ではなく、同じ派遣社員が派遣先の同一組織単位で働いた期間を見ます。

そのため、A社からB社へ派遣元を変えて同じ部署へ戻るという方法を、単純なリセット手段として考えないでください。

自分の抵触日がわからない場合は派遣元へ確認しましょう。

Q:派遣先が3年ルールに違反して受け入れを続けた場合どうなりますか?

期間制限に違反して派遣社員を受け入れた場合、労働契約申込みみなし制度の対象になることがあります。

この制度では、一定の違法派遣を派遣先が受け入れた場合、派遣先がその派遣社員へ労働契約を申し込んだものとみなされます。

ただし、具体的に契約が成立するかは違反の内容や本人の承諾などによって判断されます。

編集部
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期間を超えて働いている可能性があれば、派遣元や都道府県労働局へ早めに確認してください。

Q:クーリング期間の3カ月を空ければ同じ部署で再び働けますか?

3カ月を超える空白期間があれば新たな派遣として扱われる場合がありますが、3年ルールを避ける目的で使うのは注意が必要です。

厚生労働省は、期間制限の回避を目的としてクーリング期間を利用する行為は法の趣旨に反し、指導対象になる場合があるとしています。

「3カ月空ければ必ず同じ部署へ戻れる」という抜け道ではありません。

同じ職場で長く働きたいなら、部署異動や直接雇用、無期雇用派遣など正規の方法を派遣会社と相談しましょう。

Q:個人単位の3年が経過する起算日は具体的にいつからカウントされますか?

個人単位の期間は、その派遣社員が同じ組織単位で派遣就業を始めた時点から確認します。

契約を数カ月ごとに更新していても、更新のたびに3年のカウントがゼロへ戻るわけではありません。

一方、派遣先には事業所単位の期間制限もあるため、個人の3年より先に事業所側の抵触日が関係する場合もあります。

編集部
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正確な期間や抵触日は派遣会社へ確認し、契約満了直前になってから慌てないようにしてください。

まとめ~派遣の3年ルールを理解して今後の働き方を決めよう~

派遣の3年ルールには、派遣先の事業所単位と派遣社員本人の個人単位という2つの期間制限があります。

特に個人単位では、同じ派遣社員が同一の組織単位で働ける期間は原則3年までです。

一方、60歳以上の方や無期雇用派遣、有期プロジェクト業務などは期間制限の対象外となります。

3年を迎える場合も、直接雇用への切り替え、別部署への異動、無期雇用派遣への転換、新しい派遣先への移動などを検討できます。

「3年になったら辞めるしかない」と考えず、契約満了より前に派遣会社へ今後の希望を伝えておきましょう。