介護職の面接での服装はスーツ？私服？パート・正社員別の正しい服装を紹介！

介護業界は人手不足と言われますが、面接での第一印象が悪ければ採用は見送られます。

実際、高齢者と接する介護の現場では、一般企業以上に「清潔感」や「常識的な身だしなみ」が厳しくチェックされやすいです。

厚生労働省の「一般職業紹介状況（令和5年）」によると、介護サービスの職業の有効求人倍率は全職業平均を大きく上回る高水準で推移しています。

求人が多いからといって、誰でも受かるわけではありません。

採用担当者は、面接時の服装から「利用者に不快感を与えないか」「ルールを守れる人物か」を見定めようとしてきます。

本記事では、介護職の面接時に最適な服装を紹介します。女性・男性それぞれの好印象を与える介護面接の服装・アイテムの選び方も解説しているので、ぜひ参考にしてください。

介護職の面接は「スーツ」が基本！ただし場合によっては「オフィスカジュアル」もOK

介護の仕事は、利用者やその家族と密接に関わるサービス業です。そのため、面接の場では「信頼できる人物である」と証明する必要があります。

そのためにもっとも重要なことが、適切な服装を選ぶことです。

基本ルール：迷ったらスーツが安心！

面接時の服装に迷いが生じた場合、「スーツ」を選んでください。

介護業界は、利用者の多くが高齢者であり、施設の運営者も礼節を重んじる傾向があります。スーツを着用して訪問することで、「真剣に就職を考えている」「礼儀正しい」という印象を相手に与えられます。

「介護は動き回る仕事だから、ラフな格好でも良いのではないか」と考える方も多いです。

しかし、面接は業務を行う場ではありません。ビジネスパーソンとしての常識を問われる場です。

たとえ現場の職員がポロシャツやジャージで働いていたとしても、求職者はフォーマルな装いで敬意を示す必要があります。

黒、紺、ダークグレーなどの落ち着いた色のスーツを一着用意しておけば、どの施設に応募する場合でも失敗しません。

雇用形態別：パート・アルバイトならオフィスカジュアルでもOK！

正社員を目指す場合はスーツが必須ですが、パートやアルバイトの面接であれば、「オフィスカジュアル」でも許容されるケースが多いです。

オフィスカジュアルとは、スーツほど堅苦しくなく、かつビジネスの場にふさわしい清潔感のある服装を指します。

具体的には、襟付きのシャツやブラウスに、カーディガンやジャケットを羽織り、チノパンやスラックスを合わせるスタイルです。

ここでも重要なのは「清潔感」と「動きやすさ」です。介護現場では、パート職員も利用者と接するプロとして扱われます。

Tシャツにジーンズといった普段着は、「仕事への意識が低い」と判断されるリスクが高いため避けてください。

「私服でお越しください」と言われたらTPOをわきまえた服装で臨もう！

襟付きのトップス、落ち着いた色のボトムス、革靴やパンプスを選び、「そのまま利用者の前に出ても失礼にならない服装」を心がけてください。

求人票や面接の案内メールに、「私服でお越しください」「服装自由」と記載されている場合があります。

しかし、普段遊びに行くような服装で行くのは厳禁です。企業側が言う「私服」とは、「ビジネスカジュアル」を意味します。

面接官は、私服を指定することで「TPOをわきまえた判断ができる人間なのか」を判断しています。私服という言葉の裏にある意図を読み取り、社会人としての良識ある選択をしましょう。

【女性】好印象を与える介護面接の服装・アイテムの選び方

女性の場合、服装の選択肢が多い分、何を選ぶべきか悩みやすいです。

介護職の面接で重視されるのは「優しさ」や「親しみやすさ」に加え、「誠実さ」です。

具体的には、次の3つの服装・アイテム選びを意識しましょう。

【女性】好印象を与える介護面接の服装・アイテムの選び方①スーツ・ジャケット：落ち着いた色味でサイズ感を重視する

スーツやジャケットの色は、黒、紺（ネイビー）、グレー、ベージュなどのベーシックな色を選びます。

黒や紺は誠実で真面目な印象を与え、ベージュやライトグレーは柔らかく明るい印象を与えます。

介護職では「明るさ」や「親しみやすさ」も評価ポイントとなるため、表情が明るく見える色味を選ぶのがおすすめです。

サイズ感は、体にフィットしすぎず、かつ大きすぎないジャストサイズのものを選んでください。

インナーには、白や淡いパステルカラーのブラウス、カットソーを合わせます。

首元が大きく開いたデザインは、お辞儀をした際に胸元が見える恐れがあるため避けてください。

【女性】好印象を与える介護面接の服装・アイテムの選び方②ボトムス：スカートでもパンツでもOKだが動きやすさを考慮する

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ボトムスは、スカートとパンツのどちらでも問題ありません。

スカートの場合、丈の長さに細心の注意を払ってください。

椅子に座った時に膝上が露出しすぎないよう、立った状態で膝が隠れる程度の長さが適切です。

パンツスタイルの場合、アクティブでテキパキ動ける印象を与えられるため、介護職の面接に適しています。

フルレングスのスラックスやテーパードパンツを選び、くるぶしが見えすぎない長さに調整しましょう。

色は肌馴染みの良いベージュを選び、伝線した時のために予備を持参する準備も忘れないでください。

寒さ対策はインナーで行い、見た目はビジネスライクに保ちましょう。

【女性】好印象を与える介護面接の服装・アイテムの選び方③靴・カバン：ヒールは低めにしてA4書類が入る自立式バッグがおすすめ

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靴は、黒やダークブラウンのシンプルなパンプスを選びます。

ヒールの高さは3cm〜5cm程度が適切です。

高すぎるヒールは派手な印象を与えるだけでなく、歩くたびに「コツコツ」と音が響き、施設の静寂を乱す可能性があります。

つま先が開いているオープントゥや、踵がないミュール、サンダルはビジネスの場ではNGです。

カバンは、A4サイズの書類が折らずに入る大きさのものを用意します。

面接では、履歴書や職務経歴書を持参したり、会社案内を受け取ったりする場面があります。

色は黒、紺、ベージュなどで、装飾の少ないシンプルなデザインにして、ブランドロゴが大きく入ったバッグは避けましょう。

【男性】好印象を与える介護面接の服装・アイテムの選び方

男性の服装はスーツスタイルが基本となるため、「清潔感」と「手入れの行き届いた状態」を意識して差別化を図りましょう。

細かい部分にまで気を配り、次の3つのポイントを意識して、だらしなさが目立たないようにしてください。

【男性】好印象を与える介護面接の服装・アイテムの選び方①スーツ・シャツ：シワと汚れは厳禁！クリーニング済みのものを着用する

男性の場合、黒、紺、ダークグレーの無地のスーツが基本です。

何年も着ていないスーツを引っ張り出してくる場合は、必ず事前にサイズと状態を確認してください。

体型が変わってボタンが閉まらない、ズボンの丈が合っていないなどの状態では面接を受けられません。

また、「シワ」と「ニオイ」などもチェックしてください。ヨレヨレのスーツや、黄ばんだワイシャツは、「生活が乱れている」「仕事も雑そう」というネガティブな評価に直結します。

面接の数日前にはクリーニングに出し、パリッとした状態で面接に臨みましょう。

【男性】好印象を与える介護面接の服装・アイテムの選び方②ネクタイ・ベルト・靴下：派手な柄は避けて統一感を意識する

ネクタイは、派手すぎない色と柄を選びます。

青や紺などの寒色系は「知的」「誠実」な印象を与え、エンジや黄色などの暖色系は「情熱的」「明るい」印象を与えます。

キャラクター柄や奇抜なブランドロゴが入ったものは避け、ストライプやドットなどの伝統的な柄を選びましょう。

ネクタイの結び目が緩んでいるとだらしなく見えるため、ディンプルを作り、第一ボタンまでしっかり締めます。

また、ベルトと靴の色は合わせるのが鉄則です。黒の靴なら黒のベルト、茶色の靴なら茶色のベルトを選びます。

他にも、スーツに合わせる靴下は、黒や紺のダークカラーで、ふくらはぎまである長めの丈を選びましょう。

【男性】好印象を与える介護面接の服装・アイテムの選び方③髪型・ヒゲ：短髪にしてヒゲはきれいに剃っておく

介護現場において、男性の長髪や整えられていない髪型は不潔な印象を与えます。

耳周りや襟足をスッキリと刈り上げた短髪がもっとも好感度が高いです。前髪が目にかかると表情が暗く見えるため、短く切るか、ワックスで上げて額を出します。

ヒゲに関しては、介護業界では「剃る」のが基本マナーです。無精ヒゲはもちろん、きれいに整えたヒゲであっても、面接の場では剃っておきましょう。

眉毛もボサボサのままにせず、ムダ毛を処理して整えます。

爪も短く切り、黒ずみがないよう手洗いを徹底してくださいね。

身だしなみで合否が決まる服装以外の4つのポイント

服装が完璧でも、その他の身だしなみに不備があれば台無しです。

とくに介護職は「利用者の身体に触れる」仕事であるため、衛生面や安全面への配慮が求められます。

身だしなみ以外に、次の4つのポイントを押さえてどのような服装にするか慎重に考えましょう。

身だしなみで合否が決まる服装以外のポイント①髪型・髪色：お辞儀で崩れないようにまとめて明るすぎないカラーにする

髪型・髪色に関しては、ゴムを使って束ねておき、明るすぎない色にしましょう。

介護の仕事では、お辞儀をする、下を向くといった動作が頻繁にあります。髪が長い場合は、黒や茶色のゴムで後ろに一つに束ね、ハーフアップにする場合も、顔周りの毛が落ちてこないようピンで留めてください。

髪色は、黒またはダークブラウン（レベル7〜8程度）が推奨されます。近年は髪色の自由化を進める施設も増えていますが、面接の段階では保守的な基準に合わせておくのが無難です。

根元が黒く伸びた「プリン状態」もだらしなく見えるため、面接前に美容院で染め直してください。

身だしなみで合否が決まる服装以外のポイント②爪・ネイル：短く切り揃えてネイルはオフにする

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利用者の肌は薄くデリケートであり、少し爪が当たっただけで出血や剥離事故につながるため、短くしてネイルもなるべくつけないようにしましょう。

面接官は必ず手元を見ており、爪が伸びているだけで「介護のリスク管理ができていない」と判断される場合があります。

ネイルに関しては、透明なマニキュアや薄いピンクであっても、衛生管理の厳しい施設では禁止されているところが多いです。

ジェルネイルも、万が一欠けた破片が利用者の食事などに混入するリスクがあるため、避けるべきです。

おしゃれよりも「安全と衛生」を優先しましょう。

身だしなみで合否が決まる服装以外のポイント③メイク・アクセサリー：ナチュラルメイクにして結婚指輪以外は外す

メイクは、健康的で明るく見える「ナチュラルメイク」を心がけます。ノーメイクは顔色が悪く見え、社会人としてのマナー不足と捉えられます。

一方で、濃すぎるアイメイク、真っ赤な口紅、つけまつげなどは介護現場にふさわしくありません。

ファンデーションで肌のトーンを整え、自然な血色感のあるチークやリップを使い、眉毛をきれいに描く程度に留めます。

アクセサリーは、結婚指輪以外は全て外してください。ネックレス、ピアス、ブレスレット、ファッションリングなどは、介助中に利用者を傷つけたり、引っかかって怪我をさせたりする原因になります。

腕時計も、華美なブランド物や大きな文字盤のものは避け、シンプルなデザインのものを選びましょう。

身だしなみで合否が決まる服装以外のポイント④匂いケア：タバコや柔軟剤・香水の匂いに気を付ける

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視覚的な身だしなみと同じくらい、匂いケアも重視しましょう。

高齢者や体調の優れない利用者は、匂いに敏感です。最低限タバコは避け、非喫煙者に悪い印象を与えないようにします。

また、香水も面接には不要です。自分では良い香りだと思っていても、相手には不快な場合もあります。

香りの強い柔軟剤を使用にも注意して、面接用の服だけでも無香料の洗剤で洗うなどの対策を講じてください。

夏・冬の面接とオンライン面接のマナー

季節ごとの服装や近年増えているオンライン面接についても、介護職も例外なく特有のマナーがあります。

季節に合わせた服装選びの悩みを抱えている方は、以下のポイントをチェックしておきましょう。

夏の面接：クールビズでもジャケットを持参しておく

夏場の面接では「クールビズでお越しください」と言われることがあります。

その場合、ノーネクタイ・ノージャケットでも構いませんが、シャツは半袖ではなく長袖を選び、腕まくりをせずに着用しましょう。

また、会場の空調が効きすぎている場合や、面接官がジャケットを着用している場合にも備え、ジャケットは手に持って持参することをおすすめします。

面接室に入る直前に着用するか、面接官に「暑いので上着を脱いでもよろしいでしょうか」と断りを入れてから脱ぐなど、状況に合わせて対応できるようにしておきましょう。

冬の面接：コートは玄関前で脱いでインナーで防寒対策をする

冬場の面接では、コートやマフラー、手袋などの防寒具を着用して向かいます。

そして、建物の玄関に入る前に全て脱ぎ、コートは裏返してきれいに畳んで腕にかけてから中に入ります。

面接室に入り、椅子に座る際は、コートをカバンの上に置くか、背もたれにかけます。

寒さ対策として、スーツの下にセーターやカーディガンを着込むのは、着膨れして見えるため避けましょう。

オンライン面接：画面越しでも全身見られている意識を持っておく

Web面接の場合、自宅から参加するため気が緩みがちですが、対面面接と同じ服装で臨みましょう。

画面には上半身しか映らないからといって、下半身がジャージやパジャマではいけません。

また服装だけでなく、背景や照明にも気を配ります。

生活感のある洗濯物やポスターが映り込まないよう、シンプルな壁を背景にするか、バーチャル背景を設定します。

逆光になると顔が暗く見えるため、部屋の照明を明るくし、必要であればリングライトなどを使用してください。

面接の服装が不安なら「レバウェル介護」で指導してもらおう！

レバウェル介護のおすすめポイント①模擬面接で服装・身だしなみから受け答えまで徹底チェックしてもらえる！

レバウェル介護では、本番の面接前に「模擬面接」を実施しています。

アドバイザーが面接官役となり、入室から退室までの流れをリハーサルしてくれて安心です。

その際、当日の服装や髪型、メイクなどをチェックし、「もう少し髪をまとめた方が良い」「ネクタイの色を明るくした方が印象が良い」といった具体的なアドバイスをもらえます。

客観的な意見をもらうことで、自信を持って本番に臨めます。

レバウェル介護のおすすめポイント②施設ごとの雰囲気や面接の傾向を事前に教えてくれる！

レバウェル介護は、直接つながりのある企業の求人情報も取り扱っており、各施設の面接官がどのような視点で評価するかを知っています。

「この施設の面接官はマナーに厳しいから、スーツ必須」「ここはアットホームだから、オフィスカジュアルでも清潔感があればOK」といった、施設ごとの傾向を事前に共有してくれます。

相手の好みに合わせた服装やアピールポイントを準備できるため、しっかり対策して面接を受ければ、合格しやすいです。

レバウェル介護のおすすめポイント③未経験OKの求人も豊富で安心できる！

服装に不安を感じるのは、介護業界への知識がない未経験者であることが多いです。

レバウェル介護は、未経験者向けの求人を豊富に取り扱っており、無資格からでも安心して働ける職場を紹介してくれます。

初めての介護転職で不安なことだらけでも、専任のアドバイザーが服装のマナーから履歴書の書き方、面接対策までトータルでサポートしてくれるため、安心して転職活動を進められます。

介護職の面接服装に関するよくある質問【Q＆A】

介護職の面接服装に関するよくある質問をまとめました。

Q：髪色が少し茶色いけど黒染めしないとダメ？

黒染めするか、かなり暗いダークブラウンに染め直しましょう。

「少し茶色い」の基準は人によって異なりますが、面接官が「明るい」と感じれば、その時点でマイナス評価になります。

リスクを冒して茶髪で行くよりも、黒染めスプレーなどで一時的にでも黒くして行く方が、お互い安心した状態で面接に臨めます。

採用後に、職場の規定の範囲内で明るくするのは問題ありませんが、面接では無難な選択を心掛けましょう。

Q：面接当日は雨予報だけど長靴やレインコートで行ってもいい？

会場までの移動中に長靴やレインコートを着用するのは構いませんが、会場に入る前に脱ぎ、カバンにしまいましょう。

長靴のまま面接を受けるのはNGです。

必ずビジネスシューズやパンプスを持参し、建物の入り口や駅のトイレなどで履き替えてください。

濡れたレインコートや傘を入れるためのビニール袋も持参しましょう。

濡れたままの格好で会場に入り、床を汚してしまうのは配慮に欠ける行為とみなされます。

タオルを持参し、服やカバンの水滴を拭き取ってから受付に向かってください。

Q：カバンを持っていないけど手ぶらで行ってもいい？

高価なものである必要はないので、A4サイズが入るシンプルなビジネスバッグを一つ購入してください。

ビジネスシーンにおいて、手ぶらで訪問することは「仕事をする準備ができていない」とみなされます。

履歴書や職務経歴書などをポケットに詰め込んでいくと、スーツのシルエットが崩れてだらしなく見えます。

また、面接時に資料を渡された場合、折らずに持ち帰る手段がありません。

リサイクルショップや量販店で数千円で購入できるものでもよいので、ビジネスバッグを用意しましょう。

まとめ～介護職の転職の面接は清潔感が大事！まずは服装から整えよう～

介護職の転職の面接時には、迷ったらとりあえずスーツを選ぶのが無難です。

しかし、服装以外にも、髪型やアクセサリー、カバンまで含めて、TPOをわきまえてすべての身の周りに配慮する必要があります。

男女や季節によっても最適な服装が変わるため、さまざまな要素を加味して、相手によい印象を与えられる服装は何なのかを考えましょう。

どうしても自分で服装を判断するのが難しい場合、転職エージェントのプロに相談する方法もあります。

介護職の転職に強い「レバウェル介護」の登録も視野に入れ、納得の介護職の転職ができるように準備を進めましょう。