「受発注システム開発にはどういった種類がある?」
「ニーズに合った受発注システムを導入するための費用相場を知りたい」
企業が使用しているシステムには様々な種類がありますが、そのなかでもBtoBの事業を行っている企業からニーズの高いシステムが、受発注システムです。
多くの商品やサービスを取り扱っている場合は特に有用で、操作性の高いシステムであれば、受注側・発注側双方にメリットがあります。
ですが、いざ業務に合ったシステムを導入・開発依頼するとなると、どれくらいの費用がかかるのか、どういった開発方法があるのかよく知らない、というご担当者もいらっしゃるでしょう。
そこで本記事では、受発注システム開発にかかる費用相場について解説します!
記事の後半では、受発注システムを導入するメリットや、導入時に気をつけたいポイントについてもまとめているので、これから導入や開発を検討されているご担当者は、ぜひ内容をお役立てください。
- 受発注システムは主に3種類の開発方法があり、それぞれ費用が異なる
- 企業の事業内容や予算に合ったシステム開発方法を選ぼう
- 受発注システムを導入することで、業務効率化や人的ミスの削減が期待できる
- 開発会社へ依頼する場合は、複数の会社から相見積もりをとろう
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受発注システムとは
受発注システムは、企業が商品やサービスの販売時に発生する受注や発注に関わる業務を自動化するためのシステムです。
従来は電話やFAX、Excelなどで行われていた業務を一元的に管理・自動化することができます。
具体的には、顧客からの注文データを自動で取り込み、在庫状況を確認した上で納期を自動で連絡するなどの機能があり、仕入先への発注業務の自動化や、販売管理システムとの連携も可能です。
受発注業務の自動化により、企業は限られた人員でより多くの業務に注力でき、生産性の向上が見込めるでしょう。
近年では、クラウドを活用したシステムも増えており、初期費用を抑えて導入できることも特徴です。
また、手作業によるヒューマンエラーを防ぎ、大幅な業務効率化を実現できます。
特にインターネット経由で顧客や仕入先とやり取りできるため、販路の拡大や顧客サービスの向上にもつながるメリットも。
顧客サービスの質の維持・向上にもつながるため、競争力の強化に貢献するシステムだと言えるでしょう。
受発注システムの費用相場
受発注システムの費用相場は、その開発方法によって大きく異なります。
ここでは、主な3つのシステムについてそれぞれ費用を見ていきましょう。
種類 | フルスクラッチ型 | ハーフスクラッチ型 | クラウド型 |
---|---|---|---|
内容 | 1からオリジナルで開発 | 基本パッケージに業務に合わせた機能追加 | 基本はパッケージ機能を利用し、必要に応じ機能追加やプランのアップグレード |
初期費用 | 数百万円〜数億円 | 100万円〜数千万円 | 無料〜 |
維持費用 | 月額3万円〜数十万円 | 月額3万円〜数十万円 | 月額1,000円程度〜 |
フルスクラッチ型
フルスクラッチ型は、企業の要望に100%応えられる最適なシステムを、一から新規に開発する方式です。
自社の業務プロセスに合わせて機能を1つ1つ設計・構築できるため、究極のカスタマイズ性が魅力です。
ですが、その分費用と開発期間がかさみます。
通常、初期費用は500万円以上かかり、1,000万円前後が一般的で、大規模システムとなれば数億円の費用を要する場合もあります。
一旦システムが稼働してからも、バージョンアップや機能追加のための継続的な保守運用費が必要です。
この保守運用費は月額3万円程度が最低ラインで、規模が大きくなれば数十万円とコストがかさみます。
また、企画から設計、プログラミング、テストと一連の開発工程が必要なため、短くても半年、場合によっては1年以上を要することも多くあります。
総じて、フルスクラッチ型は大企業向けであり、十分な開発費用とリソースを確保できる場合のみ選択肢に入ると言えるでしょう。
一方で、自社に完全にフィットしたシステムが欲しい場合は、この方式を選ぶメリットは大きいです。
ハーフスクラッチ型
ハーフスクラッチ型は、既存のパッケージシステムをベースに、それに必要な機能を追加・カスタマイズする方式で、フルスクラッチ型ほどではありませんが、自社の業務に合わせた調整が可能です。
このタイプの初期費用は100万円前後からが相場で、追加する機能の量によって最大数千万円までと幅があります。
概ね300万円から500万円前後が一般的でしょう。
また、ベースとなるパッケージシステム側のバージョンアップ対応が必要となる場合があり、その際は別途カスタマイズ費用が発生します。
そのため、継続的な保守運用費として月額3万円以上を想定する必要があります。
開発期間は半年程度が目安ですが、追加機能次第で変動します。
メリットは、フルスクラッチに比べてローコストに済むことです。特に中小企業では予算的に現実的な選択肢となります。
一方で、ベースシステムの機能に制限があるため、完全にオリジナルのシステムを作れるわけではありません。
クラウド型
クラウド型は、ベンダーが提供するクラウドサービスの受発注システムを利用する形式で、構築する必要がないため、コストを抑えられるのが最大のメリットです。
初期費用は基本的にはかからず、月額費用のみとなります。
月額利用料は1,000円程度の低価格帯からありますが、機能を多く利用するほど料金は高くなり、数万円前後が一般的な相場でしょう。
クラウド型のデメリットは、カスタマイズ性の低さです。
ベンダーが提供するパッケージ機能のみで、自社の業務に合わせた調整は基本的にできません。
また、セキュリティやサポート体制は外部に依存する形となります。
そのため、クラウド型は機能の拡張性を求めない小規模な受発注業務に適しており、低コストで素早く運用を開始したい場合に選ばれるタイプです。
機能面での拡張性が必要な企業は、ハーフスクラッチやフルスクラッチを検討する必要があります。
いずれの形式を選ぶにしても、中長期的なコストを十分に検討し、自社の規模と要件を考慮に入れることが重要です。
ニーズとコストのバランスを見極め、最適なシステムを選んでいく必要があります。
受発注システムの機能
受発注システムは、システムを導入する企業側 = 受注側だけではなく、クライアントとなる発注側の機能ももちろん存在します。
システムを導入する際には、導入側だけではなく、クライアンとや取引先にも影響するので、受注側・発注側双方の機能を把握しておきましょう。
受注管理側の機能 | 発注管理側の機能 |
---|---|
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受注管理側の機能
受注管理側の主な機能は、顧客からの注文を確実に受け付け、正確な情報を管理することです。
具体的には、顧客がウェブや電話で注文すると、その情報がシステムに自動で取り込まれます。
受注数や納期、顧客情報などのデータを手動で入力する必要がなくなり、作業ミスを大幅に削減できます。
また、受注履歴を残しておけば、同じ顧客の過去の注文内容を参照しながら、よりスムーズな対応が可能で、定期的な発注パターンを把握して在庫管理にも役立てられます。
さらに、受注データを集計・分析することで、売れ筋商品や販売動向を可視化でき、経営判断の材料を得られるメリットもあります。
的確な納品対応ができれば、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
発注管理側の機能
発注管理側の主な機能は、適切なタイミングで仕入先へ自動的に発注を行うことです。
在庫数が一定以下になると、あらかじめ設定された発注ポイントで自動発注が実行されます。
これにより、棚卸しの手間が省け、在庫切れを未然に防ぐことができ、需要予測に基づいて最適な発注量を算出する機能もあるため、過剰在庫を抑えられます。
また、各仕入先の過去のリードタイム (発注から受取までの期間) を記録しておけば、その情報を元に発注の適切なタイミングがわかるようになり、生産計画や販売計画と連動できるメリットがあります。
そのほかにも、自動で見積書を作成したり、得意先別の値引き設定をしたりと、ユーザー企業のニーズに合わせて発注業務を効率化する機能が用意されています。
業種や業態に合わせてカスタマイズも可能です。
受発注システムを導入するメリット
開発方法によっては、膨大な費用と開発期間を必要とするシステムですから、導入後にフル活用するためにも、導入するメリットはしっかり把握しておく必要があります。
受発注システムを導入するメリットは以下です。
受発注作業の効率化
受発注システムを導入することで、従来の電話やFAX、メールなどを使った受発注作業が大幅に効率化されます。
例えば、商品の発注時に品目ごとに手入力する必要がなくなり、在庫確認も自動で行われるようになり、また、時間や場所を選ばずにスマホやタブレットから受発注が可能になるため、外出先でも発注対応ができるようになります。
受発注に関わる入力作業や確認作業が自動化・簡素化されることで、社員の作業時間を大幅に削減が期待できますね。
さらに、受注が殺到した場合でも、手作業に頼らずシステム上で即座に対応可能となり、機会損失を防げます。
業務が効率化されるだけでなく、スピーディな対応が可能になることもメリットです。
人的ミスを減らせる
受発注業務は数字を扱う作業が多く、人的ミスが生じやすい分野です。
例えば受注数や単価を誤って入力してしまうと、大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、FAXで発注書を送っても相手に届いていないなど、送受信のミスも起こりがちです。
ですが、受発注システムには、極端な数値の変化に警告を出したり、送受信のチェック機能があるため、多くの人的ミスを防げます。
正確なデータに基づいて受発注業務を行えるので、商品の廃棄や機会損失を最小限に抑えられるでしょう。
業務品質の向上とロスの削減に大きく貢献できます。
顧客満足度の向上につながる
受発注システムにより、顧客である発注者側の負担が大きく軽減されます。
従来は発注のたびに内容を確認する必要がありましたが、システム上ですべての内容が明確になるため、その手間が省けます。
また、発注履歴も残るので、定期発注の際に便利で、発注のタイミングを選ばなくてもよくなるのも大きなメリットです。
受注者側も、入力作業の手間が軽減されたり、通信トラブルに悩まされることがなくなるなど、大幅な負担軽減につながるでしょう。
リアルタイムで情報共有ができ、ミスを抑えられることも顧客満足度の向上が期待できます。
加えて、受発注システムにより、ペーパーレス化が進むことで、コスト削減と環境保護の両面で企業のイメージアップにつながります。
費用を抑えつつ受発注システムを導入するポイント
受発注システムは、先の見出しで見た通り、特にフルスクラッチ型での開発ではかなりのコストがかかります。
費用を抑えつつ受発注システムを導入するために、以下のポイントに気をつけて検討しましょう。
システムに求める内容を明確にしておく
受発注システムを導入する前に、まず自社の業務プロセスを見直し、求める機能を明確にしておくことが重要です。
必要最低限の機能に絞れば無駄なコストを抑えられますし、逆に不足していれば手間がかかります。
例えば、メーカーであれば在庫管理機能は必須ですが、小売店であれば店舗間の在庫データ共有が重要かもしれません。
また、顧客対応に注力したい場合はメール機能の強化が必要になるでしょう。
自社の業務ニーズに合わせて、優先度の高い機能から導入することが賢明です。
自社に必要なサービスや機能を提供しているか
受発注システムには様々なサービスや機能があり、ベンダーごとに提供内容が異なります。
例えば、クラウドとオンプレミスの選択肢があったり、POSやECサイトとの連携機能が付いていたりと、一概に言えません。
自社で求める機能を事前にリストアップしておき、各ベンダーの製品と照らし合わせることが大切です。
不足機能があれば別途カスタマイズが必要となり、追加費用が発生します。
ですが、いきなり高機能を選ぶと、当初から多額の費用が必要になってしまいます。
最低限の基本機能のみを搭載したシンプルなものを選び、将来的に拡張する方針でも構いません。
導入後の運用コストを含めて予算内におさまるか
受発注システムを選ぶ際は、導入費用だけでなく運用コストや保守料、将来のバージョンアップ費用なども考慮に入れる必要があります。
長期的な視点でトータルコストを算出し、予算内におさまるかどうかを確認しましょう。
例えば、月額課金のクラウドサービスはとても手軽ですが、長期的には高額になる可能性があります。
一方、オンプレミスの場合は初期費用が高くなりますが、ランニングコストが安く済むかもしれません。
短期的な視点でコストを最小限に抑えると、中長期的に見た時の費用対効果が低くなる可能性があります。
必要以上にコストをかけすぎないことも重要ですが、導入効果も十分に検討し、バランスのとれた選択をすることが賢明でしょう。
システムが複雑すぎないか
システムが複雑すぎると、操作が難しくなり業務効率が下がってしまうため、必要最小限の機能に絞ることが大切です。
例えば、受注業務を行うのに必須となる機能だけを先に導入し、業務に慣れた後に、業務効率を上げる機能を追加するのが賢明です。
フェーズを分けて機能追加を行えば、一度に多くの機能を導入する必要がなく、無理のないペースで受発注システムに慣れられます。
一気に多機能なシステムを導入するよりも、段階を踏んでシンプルな機能から始め、徐々に機能を追加していく方が、操作習熟がしやすく業務効率も高まります。
取引先も導入しやすいシステムか
受発注システムを導入する際は、取引先でも使いやすいかどうかを重視する必要があります。
取引先では既に独自のシステムを使い慣れているため、新しいシステムの操作性がよく、直感的に使えるインターフェースであることが大切です。
また、取引先にも新システムの導入によるメリットをしっかりと説明し、理解を得るようにし、システムの機能面でも、取引先との受発注プロセスの円滑化を意識したものがよいでしょう。
受注履歴の共有機能や、ステータス管理機能があれば、取引先とのコミュニケーションが円滑になり信頼関係も深まります。
操作が簡単で、しっかりとサポートされ、取引先とのやりとりに役立つ機能を備えた受発注システムなら、自社だけでなく取引先でも導入しやすくなります。
段階的な機能追加や開発を検討する
必要な機能を全て揃えても予算をオーバーしてしまう場合は、段階的な機能追加や開発を検討しましょう。
最初は業務に必須の最低限の機能のみを搭載したシンプルなシステムを導入し、その後、予算が確保できた時点で業務効率化のための機能を追加したり開発したりするのがよいでしょう。
一度に全ての機能を搭載せずとも、段階的に導入していけばコストも抑えられるだけでなく、基本的な機能だけのシステムから始めれば、操作を習得しやすく社内への浸透もスムーズです。
その上で機能を追加していけば、無理なく最適なシステムを構築できます。
開発会社に丸投げ依頼しない
受発注システムの開発を外部の会社に依頼する場合、全てを丸投げしてしまうと、後々修正や改善が必要になった際に多額の追加費用がかかってしまう恐れがあります。
そのため、開発を依頼する前に、社内でしっかりと要件を検討し、具体的なイメージを固めておくことが重要です。
例えば、どのような機能が必要か、ユーザーインターフェースをどのように設計するか、データ連携をどうするかなど、できる限り詳細に要件定義を行い、その要件に基づいて外部業者への発注を行うのがベストです。
長年の付き合いがある開発会社であれば、丸投げでも上手くいく可能性はあります。
しかし、初めて依頼する会社の場合は、発注側である自社も積極的にプロジェクトに関与する必要があります。
開発中は頻繁にコミュニケーションを取り、認識の違いを修正し、トラブルが生じた際にもスピーディーな対応ができるよう心がけましょう。
事前の要件検討と、開発中の綿密な関与によって、後からの大がかりな修正を防ぎ、無駄なコストをかけずに済みます。
複数の業者から相見積もりをとり比較する
受発注システムはさまざまな形態で提供されているため、自社に最適な業者を見つけるには、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。
例えば、パッケージ型のクラウドサービスを選ぶ場合でも、提供会社によって料金体系や搭載機能が異なります。
また、受注から出荷までの業務フローに合わせてフルスクラッチ開発を行う場合は、開発実績のある複数の外注会社から見積もりを取る必要があります。
一つの会社のみに相談すると、料金の相場感が分からず、提案力に依存してしまう恐れがあります。
ですが、複数社から提示された見積書を比較すれば、金額や機能面での優位性が明らかになり、自社のニーズにマッチした最適な選択が可能になるのです。
特にシステム開発会社を選ぶ際は、同業他社や同規模企業の受発注システム構築実績を確認することも重要です。
実績の豊富な会社であれば、要件への柔軟な対応力があり、トラブルの少ない開発が期待できます。
複数業者の比較検討を行うことで、費用を抑えつつ自社にフィットした受発注システムを導入できるでしょう。
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受発注システムは導入方法によって大きく費用が異なります。
いずれのシステムを選択するにしても、自社のニーズに合いつつ予算を抑えるとなると、どういった開発会社に依頼したらいいか、どんな導入方法がいいかわからない方もいらっしゃるでしょう。
また、複数の開発会社への問い合わせや相見積もりもなかなか手間がかかるため、効率よく依頼先を探せるとスムーズですよね。
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びるどるでは、ご依頼者様一組ごとに専属のコンシェルジュがつき、担当します。
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まとめ 〜受発注システム開発の費用は開発方法によって大きく異なる〜
本記事では、受発注システムの開発費用について解説しました。
開発方法によって費用は大きく異なり、安く導入したい場合はクラウド型、一からすべてオリジナルで開発するには、フルスクラッチ型で数百万円から数億円かかるものまでありました。
新たなシステムの導入は、業務の効率化や人的ミスの削減といったメリットがありますが、コスト面や導入面での懸念点もあります。
自社のご依頼内容にぴったりのフリーランスに出会える「びるどる」なら、あらゆる不安な点を解消しながら、予算やニーズに合わせた受発注システムの開発が可能です。
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