50代の介護転職はきつい？未経験から成功するための戦略を解説！

定年延長や人生100年時代を見据え、セカンドキャリアとして介護職を検討する50代が増えています。

しかし、体力面や年下の上司との関係性など、未経験の業界への挑戦には不安がつきものです。

厚生労働省の「一般職業紹介状況（令和5年）」によると、介護サービスの職業の有効求人倍率は全職業平均を大きく上回る高水準で推移しています。

50代であっても仕事はあり、未経験からの介護転職は十分に可能です。

とはいえ、長く働き続けるためには「職場選び」と「心構え」が重要です。

本記事では、50代未経験でも介護職への転職は十分に可能な理由で紹介します。

50代が選ぶべき施設・職種の選び方も解説しているので、ぜひ参考にしてください。

50代未経験でも介護職への転職は十分に可能な3つの理由

50代未経験からでも、介護職への転職が十分に可能だと言える理由として、次の3つがあげられます。

50代未経験でも介護職への転職が可能な理由①圧倒的な人手不足：スキルよりも人手が求められている

介護業界は慢性的な人手不足の状態にあります。

少子高齢化が進み、介護を必要とする高齢者が増加する一方で、それを支える介護職員の数が全く足りていません。

多くの施設では、経験や資格の有無を問わず、意欲のある人材を喉から手が出るほど求めています。

一般的なオフィスワークや営業職では、50代未経験の求人は極めて限定的です。

しかし、介護業界では年齢を理由に書類選考で落とす余裕がない施設が大半を占めます。

人手不足という業界の現状が、50代の未経験者にとって参入しやすい状態になっています。

50代未経験でも介護職への転職が可能な理由②職員の年齢構成：平均年齢が高く50代でも若手扱いされる

介護現場で働く職員の年齢層は幅広いです。

20代の新卒社員もいれば、定年退職後に再雇用で働く60代、70代のスタッフも元気に活躍しています。

施設介護においても、40代、50代が現場の中核を担っているケースは珍しくありません。

IT業界やスタートアップ企業のように、周りが20代ばかりで話が合わないといった疎外感を感じる場面は少ないです。

同世代の同僚が多く在籍しているため、休憩時間の雑談や悩み相談もしやすく、職場に馴染みやすい環境が整っています。

50代未経験でも介護職への転職が可能な理由③求められる資質：人生経験で培った傾聴力と気配りが重視される

介護の仕事は、単なる身体介助だけではありません。

利用者とのコミュニケーションや心のケアが、業務のなかで大きな力を発揮しやすく、50代ならではの豊富な人生経験が活かせます。

利用者は80代、90代の高齢者であり、若すぎるスタッフでは話題が合わなかったり、言葉遣いに違和感を覚えたりする場合があります。

50代の方であれば、80代、90代などの利用者とのジェネレーションギャップが小さく、昭和の話題や地域の歴史、子育ての経験談などで盛り上がれます。

長年の社会人経験で培った「相手の気持ちを察する力」や「丁寧な言葉遣い」などは、介護現場で即座に役立つスキルとして現場で発揮しやすいです。

50代の介護転職が「きつい」と言われる3つの理由

50代の介護転職は、可能性は十分にある一方で、安易な転職は後悔を招きます。

現実的な厳しさを直視し、覚悟を持って臨む準備をしましょう。

50代の介護転職が「きつい」と言われる理由①体力面：肉体労働による腰痛と夜勤の疲労が負担になる

介護職は紛れもない肉体労働です。

これまでデスクワーク中心だった方が急に肉体労働をすると、腰や膝に深刻なダメージを負うリスクがあります。

食事介助、入浴介助、排泄介助、ベッドから車椅子への移乗など、中腰になったり、体重のある利用者を支えたりする動作が頻繁に発生しやすいです。

また、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの入所施設では、夜勤が求められるケースもあります。

不規則な生活リズムや少ない人数で多くの利用者を見守る夜勤業務は、加齢とともに回復力が低下する50代の身体に大きな負担をかけます。

50代の介護転職が「きつい」と言われる理由②人間関係：一回り以上年下の先輩・上司からの指導にストレスを感じる

未経験で転職する場合、どんなに社会人経験が豊富でも、介護現場では新人です。

年下の上司から注意を受けた際、素直に受け入れられるかが重要です。

指導役となる先輩職員や現場をまとめるリーダーが、自分の子供ほど年齢の離れた20代、30代であるケースはあります。

前職で役職に就いていた方や部下を持っていた方ほど、プライドが邪魔をして反発してしまいがちです。

過去の肩書きをすべてリセットし、ゼロから学ぶ謙虚な姿勢を持てない限り、精神的なストレスに耐えられなくなります。

50代の介護転職が「きつい」と言われる理由③給与面：大幅な年収ダウンのリスクが高い

50代は、一般的に会社員人生の中でもっとも年収が高い時期です。

そこから未経験の介護職へ転職する場合、年収が大幅に下がる可能性があります。

介護職の給与水準は改善傾向にありますが、全産業平均と比較すると依然として低い水準に留まっています。

無資格・未経験からのスタートであれば、最低賃金に近い時給や月給からの開始となるケースも珍しくありません。

住宅ローンの支払いや、子供の教育費、親の介護費用などが残っている場合、現在の生活水準を維持できなくなる恐れがあります。

失敗しないために知っておきたい！50代が選ぶべき施設・職種の選び方

「介護職」と一口に言っても、働く場所や内容は多岐にわたります。

50代未経験者が無理なく定着するためには、自身の適性に合った施設を選ぶ戦略が必要です。

具体的には次の3つの選び方を意識しましょう。

50代が選ぶべき施設・職種の選び方①体力に自信がないならデイサービスや訪問介護を狙う

体力的な負担を軽減したい場合、デイサービスがおすすめです。デイサービスは、利用者が日中に通ってくる施設であり、基本的に夜勤がありません。

日曜日が定休の施設も多く、生活リズムを一定に保ちやすいです。

また、訪問介護（ホームヘルパー）もおすすめです。利用者宅を訪問し、生活援助や身体介護をしてくれるサービスで、自分のペースで仕事を進められます。

施設勤務のように常に監視されている感覚が少ないため、精神的なプレッシャーなく働けます。

50代が選ぶべき施設・職種の選び方②無資格なら介護補助や送迎ドライバーからスタートする

いきなり身体介助を行うのが不安な場合、介護補助の仕事から探しましょう。介護補助は、利用者の直接的な介助をせず、周辺業務を専門に担当します。

具体的には、シーツ交換、居室の掃除、配膳・下膳、備品の補充、話し相手などです。

また、運転免許を持っているなら「送迎ドライバー」もピッタリです。デイサービスの利用者などを自宅から施設まで送迎する業務です。運転業務がメインであり、乗降時のサポート程度の介助で済みます。

まずはこれらの職種から入り、自信がついたら資格を取得して介護職員へステップアップするというルートもおすすめです。

50代が選ぶべき施設・職種の選び方③最初から正社員にこだわらずパート・契約社員から慣らす

未経験からいきなりフルタイムの正社員として働き始めると、心身の疲労が蓄積し、リアリティショックで挫折するリスクもあります。

その場合は、あえて「パート」や「契約社員」からスタートする方法を検討してください。週3日〜4日勤務や短時間勤務から始めれば、体を徐々に慣らしていけます。

多くの介護施設では、パートから正社員への登用制度を設けています。真面目に働き、実力が認められれば、数ヵ月から1年程度で正社員になれる可能性が高いです。

50代から介護職に転職成功させるための具体的な手順【全4ステップ】

50代から介護職に転職するなら、むやみに求人に応募せず、堅実に次の手順で着実に準備を進めましょう。

ステップ①まずは介護職員初任者研修を取得する

介護職は無資格でも働けますが、50代未経験の場合は「介護職員初任者研修」を取得してから転職活動することを強く推奨します。

介護職員初任者研修は、介護の基礎知識と技術を学ぶ入門資格です。スクールに通学し、約130時間のカリキュラム（1ヵ月〜3ヵ月程度）を修了すれば取得できます。

資格を取得すると、採用面接でやる気があると評価されやすくなり、現場に入ってからの仕事への理解度が格段に上がります。

さらに、資格手当がつく現場であれば、無資格で働くよりも給与がアップしやすいです。

ステップ②職場見学で現場の雰囲気を確認する

求人票の情報だけで応募先を決めるのは危険です。必ず職場見学で現場の雰囲気を確認して、内部事情がわかったうえで応募しましょう。

見学時にチェックすべきポイントは、設備の新しさよりも「そこで働く職員と利用者の表情」です。職員同士が笑顔で挨拶を交わしているか、殺伐とした雰囲気ではないか、利用者への言葉遣いは丁寧かを確認します。

また、施設内の清掃が行き届いていないかどうかもチェックします。衛生管理がずさんな施設は、職員の管理もずさんである可能性が高いですね。

ステップ③体力があるうちに早めに転職活動を始める

50歳と59歳では、体力も採用のハードルも異なります。「定年退職してから考えよう」と先延ばしにするのではなく、少しでも早い段階で動き出しましょう。

在職中に資格取得のスクールに通い始めたり、週末だけボランティアに参加してみたりと、準備を進める方法はいくらでもあります。

体力や気力があるうちに新しい環境に飛び込む方が、適応も早くなります。

迷っている時間がもったいないと考え、今日から具体的な情報収集を始めましょう。

ステップ④介護業界では新人ということを忘れず面接に挑む

面接では、前職の実績をアピールしすぎないよう注意します。

アピールすべきは、これまでの経験で培った「協調性」「忍耐力」「健康管理」、そして「新しいことを学ぶ意欲」です。

「前職の経験は一度横に置き、一から皆様に教えていただきながら、早く戦力になれるよう努力します」といった謙虚な姿勢を示しましょう。

採用担当者は、「この人は年下のスタッフともうまくやっていけるか」という点をもっとも重視しています。

柔和な笑顔と丁寧な受け答えで、安心感を与えるよう心がけてくださいね。

介護職の転職活動には転職エージェントがおすすめ！

ハローワークや求人サイトを使うのも悪くはありませんが、50代の転職では介護職専門の転職エージェントの活用がもっともおすすめです。

介護職の転職活動に転職エージェントがおすすめな理由①50代の採用に積極的な施設を厳選して紹介してくれる

転職エージェントは、各施設の採用方針や現在働いているスタッフの年齢構成を把握しており、50代向けの求人を紹介してくれます。

自分一人で求人を探すと、どの施設が年齢に寛容なのか判別できません。

手当たり次第に応募して、年齢を理由に不採用が続けば、精神的に疲弊します。

そのため、転職エージェントを利用し、内部情報に基づいたマッチング精度の高い求人を紹介してもらって効率的な転職活動を進めましょう。

介護職の転職活動に転職エージェントがおすすめな理由②求人票だけでは分からない職場の雰囲気・人間関係を事前に確認できる

転職エージェントを利用すれば、求人票には載らないリアルな情報を事前に教えてくれます。

求人票には「アットホームな職場です」と書かれていても、実際は人間関係がギクシャクしたままの現場も多いです。

しかし、転職エージェントは、実際にその施設に転職した方からのフィードバックや、退職理由などのデータを蓄積しています。

そこから内部情報が把握できるため、50代からの転職でもミスマッチをある程度避けやすいです。

介護職の転職活動に転職エージェントがおすすめな理由③年収交渉や勤務条件の調整をプロが代行してくれる

転職エージェントは、求職者に代わって施設側と条件交渉をしてくれます。

50代の転職では、給与や勤務条件も妥協しづらくなります。

実際、面接の場で自分から「給与を上げてほしい」「夜勤は減らしてほしい」とは言い出しにくいです。

しかし、転職エージェントの担当者に相談すれば、給与の上乗せやライフスタイルに合わせた勤務体系などの交渉を、プロの手腕で代行してくれます。

言いにくいことを代弁してもらい、少しでも有利な条件で入職できるようサポートを活用しましょう。

50代の転職を成功させるなら「レバウェル介護」を活用しよう！

レバウェル介護のおすすめポイント①50代・未経験OKの求人が豊富で無資格からのサポートも手厚い！

レバウェル介護は、業界トップクラスの求人数を保有しています。

その中には、経験や資格を問わない「未経験歓迎」「無資格OK」の求人が多数含まれています。

選択肢が多いため、自宅から通いやすい施設や体力的に無理のない業務内容の求人に出会いやすいです。

また、無資格から働きながら資格取得を目指せる「資格取得支援制度」のある求人も豊富に取り扱っています。

そのため、学びながら働きたい50代にも最適な求人が見つかります。

レバウェル介護のおすすめポイント②職場のネガティブな情報も事前に教えてくれる！

レバウェル介護は、職場のネガティブな情報を正直に教えてくれます。

入職後のミスマッチを防ぐためには、マイナス面も含めて納得したうえで応募先を選ぶことが重要です。

レバウェル介護では、よいことばかりではなく、悪いことも包み隠さず伝えてくれます。

正直な情報を得られると、メリットとデメリットを比べたうえで、納得して働ける職場が決めやすくなります。

レバウェル介護のおすすめポイント③面接同行や条件交渉で言いにくい希望も代弁してくれる！

自分一人での面接が不安な場合、レバウェル介護に登録しておくと、アドバイザーが面接に同行してくれる場合があります。

面接官にうまくアピールできなかった部分をフォローしてくれたり、緊張を和らげてくれたりと、心強い味方となってくれます。

また、内定後の条件交渉も徹底して実施してくれ、直接伝えにくい細かな希望も汲み取ったうえで、働き始めることも可能です。

最後まで伴走してくれるため、誰でも安心して利用できます。

50代の介護転職に関するよくある質問【Q&A】

50代の介護転職に関するよくある質問をまとめました。

Q：50代男性だけど女性ばかりの職場でも働ける？

確かに介護現場は女性比率が高い傾向にありますが、男性職員の需要は年々高まっています。

入浴介助や移乗介助などの力仕事では、男性のパワーが頼りにされます。

また、同性の介助を希望する男性利用者にとって、男性スタッフは重宝されやすいです。

真面目に仕事に取り組み、清潔感を保ち、適度な距離感でコミュニケーションを取れば、性別に関係なく信頼関係を築けます。

Q：腰痛持ちだけど介護の仕事は務まる？

腰痛の程度にもよりますが、工夫次第で勤務は可能です。

身体介助の少ない「デイサービス」や「介護補助」、あるいは最新の介護ロボットやリフトを導入している施設を選びましょう。

面接時に腰痛があることを隠して入職すると、後で悪化させて迷惑をかけることになります。

正直に伝え、重度の身体介助が難しい場合は配慮してもらえるか確認するか、ドライバーをはじめとする別の職種を検討してください。

Q：志望動機には何を書けばいい？「親の介護のため」と書いてもいい？

「将来の親の介護に役立てたい」という動機は、正直な理由ではありますが、採用側にとっては少し物足りなく映る場合があります。

なぜなら、「親の介護が終わったら辞めてしまうのではないか」「自分の親の介護が始まったら仕事を休むのではないか」と懸念されるためです。

あくまできっかけの一つとし、「社会貢献がしたい」「人と接する仕事で誰かの役に立ちたい」といった、仕事への意欲や貢献心をメインに構成しましょう。

まとめ～50代からの介護転職は現実的に可能！無理なく長く働ける場所を見つけよう～

介護職はとにかく人手不足が深刻で、特定のスキルや経験がなくてもよいから働いてくれる人材が欲しいと考えている現場が多いです。

また、介護職の顧客となるのは高齢者であり、50代なら落ち着いた雰囲気でコミュニケーションが取りやすいため、介護職で重宝されます。

しかし、いきなり無資格の状態で介護職に参入するのは難しい場合もあります。

そういった方でも、最初は介護補助や送迎ドライバーから始めることもできるため、まずは経験を気にせずに業界に参入してみましょう。

なお、手厚い求人数とサポート体制を整えている転職エージェントを活用することで、介護職の転職が効率よく進められます。

登録先に迷ったら、業界トップクラスの求人数を誇る「レバウェル介護」といった介護業界に特化したエージェントを利用し、セカンドキャリア構築を目指してみてください。